鈴廣 かまぼこの里

小田原かまぼこを観て、触れて、味わう!

豊富な魚類とよい水に恵まれた小田原は、昔からかまぼこの産地として知られている。かつて参勤交代で西国から江戸に上った大名たちは、箱根峠を越えて小田原宿に入り、かまぼこに舌鼓をうったという。かまぼこの里は、その東海道を踏襲した国道1号線沿いにある観光施設である。かまぼこ博物館、レストラン、カフェ、ショッピングコーナーなどが一体となり、かまぼこの魅力を存分に味わうことができる。

かまぼこ博物館

かまぼこは白身魚のすり身から作る、ということは知っていても、実際の行程をじっくり見たことのある方は少ないだろう。かまぼこを味わう前に、ちょっとかまぼこのまめ知識を仕入れてみよう。

子供たちが手で触れて実感できるように、製造工程を易しく説明した展示コーナーがある。それによると、まず、三枚に下ろした魚の身の部分だけを丁寧に取り、地下水に晒す。きれいになった身を石臼ですりつぶし、塩を入れて練った後、砂糖、みりん、卵白を加えてさらに練っていく。そして、練った白身を板につけていく。手早くリズミカルな動きが美しく、まさに職人の技である。テレビなどでご覧になった方も多いだろう。小田原のかまぼこは、この後蒸篭で蒸して、冷めたら出来上がりである。

博物館では、かまぼこに使われる魚の種類や特徴、かまぼこの歴史等も紹介されているほか、かまぼこ作りに必須の水(展示室で井戸水を汲んだり、箱根の天然水を飲んだりすることができる)や道具類が展示されている。平安時代のごちそうが再現されたお膳には、名前の由来となった鉾型のかまぼこがのっている。また、一日4回、約一時間の体験教室(かまぼこやちくわの実演指導)も催されている。

千世倭樓(ちょうわろう)

入口は一つだが、中に入ると、四つの店のうち、どこにするかと尋ねられる。会席は前々日までに予約が必要なので、ぶらりと立ち寄った場合は、割烹で旬の魚をいただくか、そばの二者択一である。茶房はお抹茶やコーヒーなどの飲み物とスィーツのみである。

会席の『大清水』は、あらたまった席に使えるやや贅沢な空間である。昼は6300円から、夜は8400円からで、部屋料が別途必要である。庭園の飛び石を伝って大清水の入口に着くと、合掌造りの大屋根の軒下に素朴な看板が見える。富山県八尾市の豪農の館を移築補修したものだという。

割烹『潮の音』は、ランチは2000円位からの昼膳11種類または5040円からのコース、夜は一品料理も注文できる。すべて小田原近郊の魚と野菜を使用している。

そば処『美蔵』は、外から見るとなまこ壁の蔵、中は落ち着いた雰囲気の和洋室ダイニングである。この日、私は板わさと、青柚切りと季節の天ぷらを注文した。板わさはやや厚切りであった。これが一番美味しい厚さなのだろう。一切れ口に入れた。まろやかな魚の甘みを感じた。次にわさび漬けをのせて食べてみた。これもおいしい。口の中がさっぱりとした。最後に、少ししょうゆの香りをつけると、魚の甘みは薄れてしまったが、風味がよくなった。そばは更級風で、つゆはやや濃いめ、天ぷらは野菜のみで小ぶりであったが、上品な味であった。

えれんなごっそ

小田原産の食材を使ったビュッフェレストランである。店名は漁師言葉で、『たくさんのご馳走』という意味だそうだ。箱根の地ビールも飲める。ランチは大人1890円、小人945円、ディナーは大人2520円、小人1260円で、ソフトドリンクバーが含まれる(アルコールは有料)。

鈴なり市場

広いワンフロアーに、かまぼこバー、カフェ、雑貨屋、揚げたてのかまぼこが食べられるイートインコーナー、地元産の干物類、ジャム、菓子、酒、そして種類豊富な鈴廣かまぼこのコーナーがある。試食用のかまぼこも出ているので、ぐるりと一回りしてから、お目当てのものを選ぶといい。

ゆっくり見て、食事をして、最後に買い物をすれば、所要約2時間といったところであろうか。ちなみに私のお勧めは、『めんたいマヨ入りぷちかま』。おやつに、ビールのお供にちょうどいい一口サイズのかまぼこである。大駐車場が完備されているので、マイカー利用者にも安心である。

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